JR 常磐線各駅停車と接続する千葉県松戸市の馬橋 (まばし) 駅と、同県流山市にある流山駅を結ぶ流鉄 (りゅうてつ) 流山 (ながれやま) 線の一日乗車券です。

一日フリー乗車券 流山駅発行 一日フリー乗車券 馬橋駅発行 一日フリー乗車券 鰭ヶ崎駅発行

全長 5.7km という路線の短さもあり、長らく同社線にはいわゆるフリーきっぷ類の設定はありませんでしたが、2013年4月ついに一日フリー乗車券が発売。そして2016年3月に迎える流鉄開業100 周年を記念して、2015年9月19日からは「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」のイラストでの発売となりました。

販売方法および期間は各駅窓口にて通年、利用当日のみ発売。「ろこどる」デザインとなるのは大人 500 円券で、後述の通りイラストは駅により違いがあります (小児 250 円券は従来の各駅共通デザイン)。流鉄は PASMO/Suica などの IC カードやクレジットには未対応のため、購入は現金のみ。また流山線は自動改札がなく全駅が終日有人で、一日乗車券は降車時に改札で提示して利用します。

「ろこどる」は架空の街「流川市」を舞台に、主人公たちがローカル アイドルとして活躍するコミックですが、その流川は流鉄の走る流山市がモデルとなっています。アニメ化された本作にも同社線は登場しており、今回の 100 周年では終点の流山駅で主人公「宇佐美奈々子」始点の馬橋駅で「小日向縁」その他の途中駅ではマスコットの「魚心くん」のイラスト入り一日乗車券を発売しました。このほか同線の車両 2 編成では、それぞれ宇佐美奈々子と小日向縁のキャラクター ボイスによる車内アナウンスも2016年3月まで行われています。

2005 年、都内まで 1 本で行ける TX (首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス) が開業すると、快速電車の停車しない馬橋駅で乗り換えの必要な流鉄は利用者が大幅に減ってしまいました。残念ながら今回の乗車券の通信販売はありませんが、流山市に「ろこどる」舞台探訪 (聖地巡礼) に訪れる方は、是非この一日フリー乗車券でノスタルジアあふれる流山線を楽しんでみてください。使用後の乗車券は、そのままアニメご当地グッズとしてお土産になります。願わくば、今回のアニメ コラボを通じて、多くの方が流鉄を利用してくださいますように…。

なお「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」の舞台は以下の通り本ブログでも紹介しておりますので、流山駅をはじめとする市内を訪れる際には参考にしていただければ幸いです。

おまけ

流鉄流山線と JR 常磐線の接続する馬橋駅には連絡運輸の設定があるため、次のような連絡乗車券を発行することができます。

北千住→流山 乗車券

これは JR 常磐線・北千住駅から馬橋駅接続・流山駅までの連絡乗車券。このような経路は券売機に存在しないため、みどりの窓口で購入することになります。しかし、窓口できっぷを発売する際に使用するマルス端末にも流鉄の運賃は未登録のようで、発券の際には手入力で対応されることになります。

流山→北千住 乗車券

こちらは前出とは逆経路の連絡券。流鉄から JR 東日本の主要駅への連絡乗車券は券売機でも購入できますが、窓口で依頼すると写真のような補充券を発行してもらえます。着駅や金額などをスタンプや手書きで記載するため、当然ながら自動改札は利用できず JR 乗り換えの際は有人改札を利用することになります。

連絡運輸の範囲や発着駅には規定があり、それらを理解している方以外には推奨しませんが、こんなきっぷもあるという程度の参考まで。くれぐれも窓口の方を困らせるようなことはしないように…。